もうすぐ60歳やけどアルバイトだけで生き抜いてきた

俺も60だけどいい話を・・。

45年くらい前の歌舞伎町にあったビニ本屋での話。
友人は表紙のインパクトを五感に感じ、
選びに選んだビニ本数冊を買おうとして図書券を出した。
怖そうなチンピラ風の店員は「図書券なんか使えねえよ馬鹿野郎！」と怒鳴る。
場所柄もあるが経営はもちろん、その筋の者だろう。
店員の甲高い声を店の奥で聞いたのだろう。もう一人の店員が出て来た。
「どうした？」
「アニキ、このガキ、図書券出しやがって」
この”アニキ”店員がどうやら店長らしい。
するとそのアニキ分は意外なことに「お兄ちゃん、いいよ図書券で。ただし、お釣りは出せないからな」
と言って売ってくれたのだ。
おそらくこのアニキは受け取った図書券を自分で使うか誰かにあげるかしたんだろうけど
なんか、いたいけな中学生の必死な気持ちを理解して
アニキの計らいになんかほっこりしたのであった

おわり

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