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芸人に知識は必要か?パート3


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105 2023/10/30(月) 22:30:47 ID:IjpjXcMTpc
…女はしきりに喋舌っているが相手の声が少しも聞えないのは、噂にきく電話というものであろう。「御前は大和かい。明日ね、行くんだからね、鶉の三を取っておいておくれ、いいかえ――分ったかい――なに分らない? おやいやだ。鶉の三を取るんだよ。――なんだって、――取れない? 取れないはずはない、とるんだよ――へへへへへ御冗談をだって――何が御冗談なんだよ――いやに人をおひゃらかすよ。全体御前は誰だい。長吉だ? 長吉なんぞじゃ訳が分らない。お神さんに電話口へ出ろって御云いな――なに? 私で何でも弁じます?――お前は失敬だよ。妾を誰だか知ってるのかい。金田だよ。――へへへへへ善く存じておりますだって。ほんとに馬鹿だよこの人あ。――金田だってえばさ。――なに?――毎度御贔屓にあずかりましてありがとうございます?――何がありがたいんだね。御礼なんか聞きたかあないやね――おやまた笑ってるよ。お前はよっぽど愚物だね。――仰せの通りだって?――あんまり人を馬鹿にすると電話を切ってしまうよ。いいのかい。困らないのかよ――黙ってちゃ分らないじゃないか、何とか御云いなさいな」電話は長吉の方から切ったものか何の返事もないらしい。
『吾輩は猫である』

多分これが小説に登場する電話による会話の最初の描写。

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