二枚舌野郎

そもそもが、家康公と正室の築山殿からして、
年上女房のカカア天下から始まっていた可能性が高いわけだが。

ただ、年を追うごとに亭主は出世を重ね、
嫁のほうは実家も滅んでの凋落三昧という天地逆転の挙句、
不義密通からの誅殺という末路を辿ってしまったわけでな。

人の世で上に立つ者は夫唱婦随、
そうでもないようなら逆もありというのが世の常であって、全てを
亭主関白かカカア天下だけで一律化しようなんてほうがナンセンスに過ぎる。

くだらねえ亭主を飼い殺す低位な家に嫁ぎたかったら、それもまたあり。
大君の妻母になるためには、やはりそういうわけにもいかんのだよ。

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