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>>57の続き)
今の日本の漫画やアニメも、昔の映画や小説並みかそれ以上に
精魂込めて、命を削って作られているのには違いないのだけれども。
如何せんその枠組み自体が現実逃避性を多分に含んでいるために、
作る側も見る側も冴えないオタ男へと陥りがちであることからまでは逃れられない。
実写映画や小説だって、実社会における礼楽の興隆や、四書五経のような大説の
精読からの実践などと比べれば児戯にも等しいものであり、そもそもそのようなエンタメ
ばかりに文化的権威が集約され始めた近代以降のすべてが頽廃傾向だったともいえる。
偉大な実践文化が健在だったころの日本にもまた、源氏物語や今昔物語や、
歌舞伎や文楽のようなエンタメ文化もまた存在してはいたのだけれども、
それらはあくまで享楽のためのものであり、人の世を直接司るようなものではなかった。
今の日本で外国人観光客向けに伝統文化を紹介する際にも、そういうものばかりを
標榜するものだから、伝統というもの全般が形骸的に思われたりもするのだが。
近年のエンタメ文化だって、遠い将来の人々からはそういう風に見受けられるだろう。
大人の男の威厳が復興する域の文化興隆などは、それとは全く別次元の域にあるのである。
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