人間が「心の老い」とでも呼ぶべき精神現象に見舞われる機序についても詳述すればーー
心そのものは、原理的には老いることを完全に防げる事物ではあるのだが、
ヒトも生物である以上は、身体の老化から完全に免れられることはない。
その、身体の老化に心までもが取り込まれた時に、心の老いまでもが生じてしまう。
囲碁や植物研究のような、それ自体が健康法なわけでもないような
手段であっても、そこへの熱心な取り組みによって心の張りを保てたなら、
心の老いを終身にわたって撃退し抜くことが可能となるものである。
なおかつ、ラージャヨガや座禅行なみに専門的な手段をも正しく修めれば、
心の張りで体の老化を遅らせることまでもが可能となるわけだけれども。
残念ながら、現在ヨガなどと呼ばれているような行法のほとんどは、
そのどちらの効果も発揮することなく、場合によっては体の老化に心が取り込まれての、
心の老いを助長するような逆効果までをも帯びてしまっているのが常となっている。
大メディアが延々とテレビで垂れ流し続けているバラエティやスポーツ番組などもまた、
えてして同様な心の老いを助長する悪影響を帯びているもので、たとえば自分よりも
はるかに若い大谷みたいなスポーツ選手の活躍を見て、それを楽しんだ所で、自分自身
については「もういいや」という諦めが助長されて、心の老いも盤石化するのみとなる。
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