>>15 「ネイティブ・アメリカンの人たちはみな、昔から日常的に煙草を吸っていた」
と思い込んでいる浅学な人も多いが、実際はそうではない。
もちろん、煙草は北米大陸原産で、数千年前から栽培されてきた物であり、
自分たちの育てた煙草の葉を自分たちで乾燥させて、それを薬草として
利用する部族がないわけではないが、彼らはそれをあくまでも聖なる薬草
(メディスン)と認識している。
昔のネイティブ・アメリカンの人たちが煙草を吸ったのはあくまでも
癒しの儀式のためであり、それはだいたい「1ヶ月に一度あるかないか」
だった。
だから当然、煙草は明確に意識に変化を与える効果を持っていた。
そして、それは貪るように吸うことが目的であったわけではない。
多くの場合、「創造主からの贈り物」であり、「極めて神聖なもの」
と認識されていた煙草の葉は、これを細かくして大地にまいて浄化をしたり、
あらゆる命を祝福するための物として、決められた神聖なやり方で使われた。
また、いわゆるピースパイプとして、みんなで輪になってパイプを巡らせている光景を
映画などでよく見るが、ラコタの人たちがピースパイプに詰めてくゆらせていた物の
ほとんどは煙草ではなく、キニキニック(kinnikinnick)と呼ばれ、
薬草を扱う専門の人によって何種類かの薬草(赤柳の皮、コケモモの葉、ラズベリーの葉)
などが微妙にブレンドされたものである。
そこに煙草が加えられる事も無いではなかったが、必ずそうだったわけではない。
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