日本で武家時代以降にも人身売買の対象にされていたような人々は、
そもそもが極貧すぎて、そのほとんどが子孫も残せずに死んで行ってた。
身売りでなった遊女なども、身請けに与れなかった場合の平均寿命は
30やそこらで、それを証するような食生活の劣悪さの記録などもある。
アメリカの黒人奴隷なんかは、もはや身分として固定されていたから、
未だにその子孫の黒人などが相当数生き延びて今に至っている。
そういうことは大昔から日本では絶えていたのである。
江戸時代なども、小氷期で作物もろくに育たないような時代だったために、
赤貧のあまり、おしんみたいな身売りに及ぶ者も生じざるを得なかった
場合が相当数あろうとて、それは完全に必要に応じての最低限のみ。
他国における奴隷労働のうちの、どうしても一定身分が携わるのでもなければ
こなしきれないほど大規模な仕事については、人身売買の対象になるわけでも
ないような特定の部落身分に請け負わせていた。故にやはり、武家時代の日本には
奴隷制はおろか、実質的な奴隷制と呼べるものすらなかったと言い切れるのである。
返信する