
難解至極な話としてよく捉えられているが、
東洋思想に基づけば容易に解釈が可能な内容でもある。
(↓↓↓以下ネタバレ注意↓↓↓)
原作者がどこまで意識して作ったのかはともかくとして、
道家の老荘思想あたりに非常に沿うた内容になっている。
棍棒から軍事衛星やAIに至るまでの、あらゆる道具による有為の試みが、
結局は赤ん坊や胎児――弘法大師が十住心論で道家の境地と説く
嬰童無畏住心の、嬰童の無為へと帰結して行くといった話。
とはいえたとえば、AKIRAや鬼滅では赤ん坊が禍々しい化け物として
描かれていたりと、そこに善悪の分別が未だない存在であるが故の、
悪の根源性を認めることもできるわけで、それをも超克する領域は、
仏教の無種子三昧とか、また別のものとして取り扱える。
(↑↑↑ネタバレ終わり↑↑↑)
トルストイも老子の愛読者だったというし、
西洋における老荘思想の受容にもそれなりの歴史があり、
特にヘラクレイトスや旧約の伝道の書などと関連付けて支持されることがある。
だから作者があえて意識せずとも、文学的知識から自然と似通うようなこともあろう。
モーセの十戒にも「父母を敬え」とかの儒学に似通った教条がある一方、その上に
神への絶対服従を置いていたりと、カルトも必ずしも純悪ではなく、糞味噌なのが特徴。
そういったカルトの危害を、儒家や道家の教えだけで防いで行くのもやはり不可能。
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