真実に向かおうとする意志 偉大なる生存の報告 part325

演技なのか本性からなのかはともかくとして、少なくともここでのおまえは
「こういう人の言うことを聞いちゃいけません」「こんな人間になっちゃいけません」
を絵に描いたような存在であることに徹して来たのだから。

それに応じて、その末路もまた、何も聞き入れられず、何らの望みも叶わず、
ただひたすら反面教師としての養分にされて、それで終わりというのが、
その領分に即した、模範的な勧善懲悪の末路ともなるわけでな。

もうおまえ自身もそれは察しているのだろうが、
だからといって大人しく運命を受け入れるのが相応しい領分なわけでもなし。
生粋の悪党なら悪党らしく、暴慢の限りを尽くして往ってやろうというのもわかる。

そしてそこに、あまり取って付けたような情けをかけるのも、
こちらが偽善者としての濡れ衣を被る愚行となりかねないために、避けるべきだというのも。

怒りと悲しみに囚われた六十有余年の生涯に、寂滅も相応しくない。
せいぜい狂乱の業火を見せつけながら、その火種たる命の炎を燃やし尽くすがいいさ。

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