これもまた、民主主義なるイデオロギーが現実においては
ろくな結果を招くことがない一大原因であるといえる。
「世の中には数多くの、素人には務まらないような専門職がある。
政治もまたそのうちの一つなのに、どうして誰でもできると思うのか」
という孟子の言のとおり、特別に為政のための勉学修養に励んで来たわけでもない
ような人間が、政治に直接携わることはおろか、選挙で候補者をその場に送り出しただけでも、
巧言令色にだけは長けるような無能悪党ばかりを政界に蔓延らせての破綻を招いてしまうもの。
しかも、国家権力は引責自殺の覚悟まであるのでもなければまともに司ることもできないほど
大きなリスクを帯びた存在であるために、特別凶悪だったりするようなわけでもない無辜の
一般人といえども、そこでの覚悟を欠いた無責任な振舞いに順応してしまったがために、
腐敗の一翼を担うようなことになってしまうといった危険性までをも帯びている。
昔からそういう連中しか国家権力に携わって来なかった西洋においては、
アインシュタインのように「国=腐敗の元凶」とまで断じるような人間までもがいるのだが、
そう思えてしまうほど腐れ切った政情が、民主主義などによってほんの少しでも改善することもなく、
逆に非民主的な国へと破綻のしわ寄せを押し付けることで、世界規模での貧富の格差の拡大や
国際関係の悪化による破綻を、なみの非民主主義国以上に助長するばかりとなったのである。
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