ホモクリット(平凡人=精神的健常者)が権力を持った際に必ず発症する病に
「傲慢(ヒュブリス)症候群」がある。
この病に罹ると、世界を自分の物のように思う自己愛的傾向や、
イエスマンに囲まれることで現実からのフィードバックが届かなくなって
批判を無視するようになり、短絡的な意思決定をするという症状があらわれる。
ホモクリットが長い間権力をふるえる状態にいると、ほとんどの者は、
他人の批判を受け入れたり、自分の信念が世の中にもたらす影響を
正確に考慮したりすることがうっとうしくなってくる。
あるいはそうしたことがまったくできなくなってしまう。
通常の場合、この世界に起きていることについてひどい幻想を抱くことは、
その周囲の人々や周囲のできごとによって抑止されている。
私たちは、批判を聞いたり、挫折を経験したりすることによって、
状況に対する自分のアプローが不適切あることを学び、
できるだけ自分のやり方を修正するようにしているものである。
しかし、人の上に立つ指導者たちには、その幻想に対するチェックが
効いていない場合がある。
彼らに与えられた地位と権力は、彼らに対して送られるネガティブな
メッセージを無視すること可能にする。
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