みうら(じゅん):ぼくは、この前やったスライドショーで、自分で走馬燈を作ってみたんです。
死ぬ寸前にいろんな思い出がオーバーラップして走馬燈のように見えるっつうじゃないですか。
あれも考えようで、自分で編集できるんじゃないかと思ったんです。
── それは、自分で自分を騙す、ということですか?
みうら:ええ、まぁそうです。
ぼくは昔、不良だったということにしたいんですね。
過去は作り替えられないけど、自分しか見ない走馬燈ならいいでしょ。
憧れだった他人の過去をスライドのように1枚混ぜておくと、
「ああ、あの頃はずいぶん親泣かしたな」とか「やんちゃだったな」みたいな思い出が
さもあったように思えるでしょう。
もう、そのときは頭がボーッとしてるだろうから、他人の写真でもわからないんじゃないですかね。
── えっと、それは自分が見る走馬燈ですよね?
みうら:そうです、そうです。
自分が見るということは、自分がそこにいるわけじゃないんですよ。
自分が見てきた風景や人、「視野」が見えるわけだから。
ぜんぜん知らないヤンキー軍団の写真を入れておけば、「この中にいたっけな?」
とか思いながらも走馬燈を見ることができます。
最期の段階で自分のつじつま合わせをしたいなら、走馬燈から再プロデュースしていくのは
いかがでしょうか。
── そうですね。人の記憶は塗り替えられるって言いますし。
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