ヘラ釣り親父のルーティーン

小学校の頃、クラスで釣りがちょっとしたブームになってしょっちゅうワンドに行ってたんだが、
そこに必ずといっていいほど来る７０前くらいの爺さんがいた。
ヘラ釣りの道具一式を満載したカブで現れ、毎回同じ場所に足場を組み立て、
餌を投げては上げるという動作を機械のように繰り返していた。
そして小一時間ほどすると、決まってアルミに包まれたおにぎりを釣りをしながらムシャムシャ食いだすのだった。
一連の動作は完全にルーティーン化されており、自分には釣りを楽しんでいるというより
髪を洗ったり歯を磨くのと同じようにヘラブナ釣りが日常の一部と化しているように見えた。
パチンコが好きな人も毎回、同じ場所の同じ機種しか打たない人がいるが、それと似ている気がした。
「楽しい」というのは、突き詰めると無心になれるかどうかってことなのかもしれないな。

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