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『人魚伝説』(1984年)
監督 池田敏春
出演 白都真理 江藤潤 清水健太郎 他
この作品は、池田監督がにっかつを離れてディレカンで撮った初作品で、
彼の唯一の名作だと思います。
当時、観賞した時は驚きました。
ストーリーはさておき、白都さん演じる「みぎわ」の壮絶な復讐に
見応えがあります。
夫を殺されたみぎわが、男たちを次々に殺戮していくバイオレンス
シーンで得られるカタルシス、
その、あえてリアリティーを排除した映像に加え、白都さんの
大熱演が特筆ものです。
特に印象に残っている場面は、
ヤクザに抱かれながら、ナイフで刺し殺し全身に返り血を
浴びる凄絶なシーンと、ラストで数十人を殺害し、復讐を終え
海に飛び込み水中を人魚のように遊泳する美しいシーンです。
そしてみぎわが水面に顔を出すと、青っぽかった映像がいきなり
美しいカラー映像に変わり、キラキラと輝く光のなかで笑顔の夫
(の幻)と再会します。
今までの激しい殺戮が浄化されていくというか、みぎわが報われる
というか夫婦愛を感じます。
性描写もさることながら殺戮描写も凄いですが、その根底にある
「愛」を感じました。
だからこその名作だと思うのです。
余談ですが、池田監督は2010年12月、「人魚伝説」の撮影が行われた
志摩市大王崎灯台付近の海上で入水自殺をされています。(享年59)
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