だいたい、国力の粗大さでも国際的な地位の高さでも、
日本はアメリカなんかよりも中国に負けて来た歴史のほうがはるかに長い。
それでも別に、大半の日本人が中国へのコンプレックスなんかを抱かないのは、
狭い島国ならではの特色を生かした国風文化の発展に昔から専念して来たから。
時には冊封体制下の朝貢外交に付き合わされるようなこともあれど、
日本からの使節団は中華皇帝から下賜された宝物をみんな現地で換金して、
今では大陸でも散失してしまったような貴重な文献書籍を買い込んで帰国していたという。
そういった精進の積み重ねのおかげで、特にここ1000年ほどは、
異民族侵略による凋落も著しい中国に、文化や政治の質のよさなどの点で
大いに上回ってきた面があればこそ、劣等感なんか抱こうにも抱けないぐらいでいる。
にもかかわらず、中華帝国の5分の1程度の国力しかなかった辺境の小国である
ローマ帝国の真似事をしているアメリカみたいな国へのコンプレックスを
募らせるような日本人がいるとすれば、それはたとえ日本人だったところで、
知性も教養も志操もなにもかもを失った、最底辺のボンクラでしかないことが明らかなのである。
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