実は、これがアメリカのたばこ業界が望んだ状況でした。
「そんなことをしたって時間稼ぎになるだけで、最後は結局、
発がん性があることがわかって、たばこを吸う人だって減ったじゃないか?
陰謀に意味があるのか?」
…と思う人がいるかもしれません。
しかし、たばこメーカーにとって重要なのは、まさにその“時間稼ぎ”でした。
実際、アメリカの大手たばこメーカーは、この時間稼ぎのおかげで
業績をどんどん伸ばしたという事実をご存知でしょうか?
たとえば80年代から90年代にかけて禁煙する男性が増えてきた時期に、
ファッションとしての女性喫煙者が増加しました。
60年代のアメリカでは女性がたばこを吸うのは社会的には
不適切だと思われていました。
ところがその後の女性解放運動の流れで、たばこ業界は、
「自由でファッショナブルな女性は、たばこを吸ってもいい」
という潮流を作ることができました。
もっと重要なのがグローバル戦略です。
先進国に比べて、新興国には、たばこを吸う人がはるかに多いという
傾向があります。
新興国の経済が発展すれば、国産たばこよりも、ブランド力のある
アメリカ製たばこのほうが売れるようになる。
その考えから、世界各国のたばこの販売の権利を獲得して、
グローバルな売上をたばこメーカーは増やしていったのです。
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