「富貴は誰しもの欲する所だが、道義に基づかなければ得ない」(里仁第四・五)
道義と共なる富貴が人間性を損なうようなことはないが、否なら否。
なんならその辺の一般大衆以上にサイコなクズにまで成り果てたりする。
じゃあその「道義」って何なのか?っていうのは、儒学や仏学によって知れるもの
である一方、洋学は全くそんなことは教えてくれないので、東大みたいな洋学の
最高学府を出ようとも、人並み以上に道義性という面でより長じるようなことはない。
ただ、総員で経済的に恵まれていたような世代だと、別に無理して見下して
突き放しておかなければならないような人間も下層や低学歴に至るまでそうはいないし、
どちらかといえば人格者ぶって崇め立てられるほうが自らへの利益も大きいので、
事故を起こす直前までの飯塚幸三みたいな良識者風でいることも多くなる。
ごく一部の成功者と大多数の落伍者に大別される地獄の世代ともなれば、
成功者といえどもそんな余裕はなくなり、ただひたすら周囲の全てを敵とみなしての、
「俺はおまえらとは違うんだ!」アピールばかりに徹するしかなくなったのだ。
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