たとえば否定派なんかは、人生で一番楽しかった子供の頃への憧憬に囚われ続けているようだし、
子供の頃からの大怪我による瀕死体験などのせいで、過去への憧憬などは全くといっていいほど
ない俺なども逆に、人生これからの将来に何かの希望をかけるような思いが人一倍強かった。
そういうのはもう、いい年にもなるとかえって哀しくなるだけだから、諦め去ったがマシ。
今まさに人生この瞬間こそが、過去や未来に囚われるまでもなく出来上がっているものと知るべし。
大戦前夜とでもいうべき世界情勢にしろ、カルト支配によって荒廃を極めている現代日本の世相にしろ、
その中でも最大級の環境面からの災厄に見舞われている自分たちの境遇にしろ、改善されないよりは
されたほうがいいものであるのには違いないが、それが自分たちの存命中に叶うとも限らない。そんな
所に儚い望みをかけて渇望に苛まれるよりは、今がすでに人生の本番であるとわきまえて堂に入るべし。
結婚して子を産ませるに値するような女だって、もう生涯現れることもないかもしれないが、
それが天命であるようなら、それも致し方なし。足らぬ所にすら足るを知りて、まず人生を
「住めば都」ならしめるのでなければ、さらなる心象からの不幸に見舞われるだけでしかないのだから。
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