「立場が人を作る」の虚実

大元は野村克也の発言らしいけど、
これには本当な場合とそうでない場合とがある。

いま総員で江戸時代平均の半分程度の所得に追い込まれている、
氷河期以下の次世代の日本人のほとんどは、だからこそ
見るからにみすぼらしくて頼りなく、まともに重責も負ったことが
ないからこその不遜な言動なども目立つものだけれども。
それは、今の立場がそれ相応だからそんなでいるだけで、
要職などに就こうものならいくらでも脱却して行けるところだから、
今そんなだからといって旧世代が利権を譲らない口実などにしてはならない。
とかいった所では、本当に「立場が人を作る」ともいえるものである。

一方で、それは表面的な威厳とかにかけてだけのことで、人としての真価はやはり、
立場に関わらぬ自己求道などによってこそ育まれるものだから、
そういった所までもが立場の如何だけでどうにかなるなどということもない。
そういう点では「立場が人を作る」などとも言えないといえる。

隠れた才覚を見抜いて、現状のみすぼらしさなどに囚われることなく人を取り立てるのが良い人事、
今みすぼらしいとかの理由で、才覚の持ち主を見損なって取り立てないのが悪い人事たる所以でもある。

返信する

扁桃腺はれてますよ

返信する

ここ30年の日本は、巧言令色のコミュ力ばかりを査定材料とした
人事によってこそ凋落、荒廃の一途をたどってきたわけだけれども。

それこそ、コミュ力なんてものも、どうせ立場に付いてくるものなのだから、
無位のうちからそんなものを期待すべきではないし、逆に無位のうちから
そんなものに執着して来たような小人のほうが、真の有能さなどは期待できないもの。

アスペ級にコミュ力が人一倍低い者などに対しては、いざ要職に就くからには、
これからはそれなりに人付き合いなども洗練させて行く覚悟を促すぐらいのことは
あって然るべきだけども、それもなくまず登用対象から外すなんてのはおかしい。

「隠れた才覚」のほうは、それこそ隠れているからそうそうには判別が不能なもの。
だからといって見えている部分の即座な利用価値などに囚われることなく、むしろ
見えざる所に本当に重要なものが潜んでいることへの尊重を、人事の本分とすべきである。

今の日本社会で人材に要求される素養は大体、見るからにわかりやすい代わりに、
立場によってどうにでもできるような範囲のもの。そんなものは登用条件から外し、
一見して分かりづらいけれども、立場の如何だけではどうにもし難いような
真の才覚を秘めた者を探り当てて行くことのほうにシフトすべきなのである。

返信する