みなさんはアパシーという言葉をご存知でしょうか?
アパシー(apathy)とは、ギリシャ語の a=失う、pathos=感情・苦悩を組み合わせた言葉です。
ちなみに、pathos は英語でもそのまま同じ意味で使われています。
有名なベートーベンの曲で、「情熱(熱情)」という副題のあるピアノ・ソナタがありますが、
英語では「The pathetic sonata」ですね。
・・・おっと本題に戻りますと、以上のような理由から、アパシーとは感情や苦悩を失ってしまう
という状態を指す症状なのです。
「苦しみがなくなる?結構ではないですか」という声も聞こえてきそうですが、
しかし大切な感情もなくなってしまいます。
当然、喜びや楽しいと感じる心地よさ、美しいと感激する気持ちなども消えてしまうわけです。
また苦悩という感情は、何かを創造する時や、注意してことにあたらなければならない時などに
必要な側面もあります。
ですから、まったく悩みがないという状態も本来は好ましくないのです。
アパシーと似たような状態は、意識がもうろうとしている時にも起きますが、
アパシーは意識がはっきりしているにも関わらず生じる症状です。
はたから見ていると、「何もしない」不活発な状態で、日がな一日、同じ姿勢で
ぼんやりとしているようになります。
一方ご本人の主観では、「何もする気にならならい」「つらいこともないし、何とも思わないから、
このままでいい」というような状態になります。
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