別に、「身を捨てても名利は捨てず(独行道)」の宮本武蔵並みに
名声欲を隠すことなく、決闘続きの修羅道を邁進して行く所存だというのなら、
それはそれで別に絶対にダメだなんてこともないのだが。
いまネットで炎上に陥ったりしているような人間が、
そこまでもの覚悟を持って闘い続けているなんてこともそうはなかろうし、
そもそもが本物の斬り合いに興じていた武蔵と比べれば、回線越しの口喧嘩
なんていう甘噛み加減が情けなくて見苦しいしで、全く武蔵に比肩するわけでもない。
もはやそういう人々があまりにも多すぎるせいで、人間たるや、
その本性を衆目に晒そうものなら必ずや炎上が避けられない生き物なのだから、
専ら猫をかぶって生きて行くぐらいしか炎上を避ける方法もないのだとすら思われている節がある。
そんなことはない。別に名声欲がそれなりにあって、それが相応に成功で満たされようとも、
そこに知足を抱けるだけの殊勝ささえあれば、自由な余生を炎上などなく全うすることもできる。
今の日本人などは、その手の達観をほぼ完全にかなぐり捨ててしまっているような未熟者が
あまりにも多いために、なかなかそうではあり得ないだけで、むしろそのほうが異常な姿である。
大メディアが司っているような、過剰な名声の魔性に囚われるあまりにそうなってしまっていたり
するところもあるだろうし、まず名声というものへの一定以上の警戒が誰しもにあるべきなのである。
返信する