新庄で新幹線を乗り過ごした話

昔、新庄で降りてちょっとだけ散策して新幹線で山形方面に向かおうと思って駅員さんに最終の確認をしに行ったら、
その駅員さんが血相を変えて「あれが最終ですよ！」と叫んだ。
しかし、時すでに遅し。視界の先にいた新幹線は無情にもゆっくりと動き出していた。
元々、行き当たりばったりの旅。「なんくるないさー」と気持ちを切り替え宿を探すことにした。
今から思うと、ネットも何もない時代。随分、無謀なことをしたもんだ。わき毛の至り。
幸いにして、寝床はすんなり確保できたので、ひとっ風呂、もとい、ひと飲みすることに。
なんとなく飛び込みで凡庸な居酒屋に入ってみた。
若い夫婦が経営していたのだが、そこのあんちゃんがまあよく喋ること。
東北の人は口数が少ないという幻想は、一瞬で打ち砕かれた。
そういえば、昔だいぶお世話になったＯ滝さん夫妻や、親友の刀○という変わった名字の奴の親父も山形出身だったな、
と少なからぬ縁をこの地に感じながら、しっぽりと酔いつぶれた夜であった。(続…かない)

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