その日は朝からせわしなかった。
昼過ぎまで用事を済ませて、一段落して、そこから車で腹ごしらえに王将へ。
しかし、土曜の昼下がりの人気チェーン店を舐めていた。
あまりの混雑ぶりに、店員が誰も注文をとりにこない。
清水の舞台から飛び降りるくらいの勢いでなんとかオーダーを通し、わたしのスタマックはイナフになった。
そこから高速に乗って、一路、金沢へ。
石川県自体は何度も訪れたことがあるのだが、意外にも金沢は初であった。
ホテルにチェックインしてからしばし小休止し、いい時間帯になってから街へ出た。
香林坊とは、金沢の目抜通りのことである。
石川県最大の繁華街、といったほうがわかりやすいかもしれない。
今回は金沢おでんをぜひ食べたいと思っていたので、それらしき店にエイヤッと飛び込んだ。
なんとなく街をブラブラ歩いて、なんとなくビビビッと来た店に入る。これがいつもの流儀である。
客はまばらで、わたしは店の人と話がしやすいように近くのカウンターに座った。
女将は一見の客との距離感を計りかねているようであったが、
自分が好きな花嫁のれん(石川県の温泉旅館が舞台のドラマ)の話題を振ると、一気に相好が崩れた。
なんでも、女将さんもそのドラマが大好きなようで、意気投合まではいかないが話しは弾んだ。
その後は金沢おでんについて色々教えてくれたり、金沢のことを話してくれた。
肝心の金沢おでんは、具材が独特というだけで、可もなく不可もなく。まあ、こんなもんか(完)
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