この人は己の出自に強烈なコンプレックスがあるのだと思う。
財力を背景に政界に入ったものの、「所詮炭鉱屋の成り上がり」と見られる事は屈辱だったろう。
野中広務への侮辱はそうした劣等感の裏返しではなかったか。
金も地位も手に入れたが、血筋だけはどうにもならない。
そのため「高貴な血統」を手に入れるために三笠宮に接近して妹を政略結婚させ、
今まさに天皇家の血統を手中に収めようとしている。
だが、いかに悪辣な手段で身分を偽造したところで、生来の高貴さなど持ち得るべくもなく、
柵を弄するほどに本質的な「高貴さ」からは遠ざかるということが、この人にはわからない。
例えば、家業が使い捨てにした数多の炭鉱労働者の中にすら「高貴さ」は宿り得るのだが、
欲に目の眩んだ老人に今更それを悟るだけの時間はもういくらも残っていまい。
なりふり構わぬ暴挙も、余命幾許もないとの焦り故か。
命尽きるまで悪事を尽くす生涯というのは、物語の登場人物としてなら魅力的かも知れないが、
実際にこれに付き合わされる国民はたまったものではない。
一刻も早く舞台を降りてもらいたいと念じるばかりだ。
返信する