ズンドンバン 偉大なる生存の報告 part326

「君子は徳を懐い、小人は土を懐う」（里仁第四・一一）

司馬遷も「史記」の貨殖列伝で、紀元前の太古から
土地転がしで巨万の富を得ては、徳もへったくれもない匹夫小人に
羨望されている民間の投資家が多くいたことを記録している。

近年では、株式市場の導入によって、投資対象も多岐にわたるのが
当然となったが、ことに、太古の昔から「物品そのものよりも金ｶﾈ」の域の
本末転倒に陥っての投資熱を燃えがらせて来たものといえば、やはり土地である。

「漢書」の著者である班固は、そのような外道中の外道の有様をわざわざ
記録に遺した司馬遷の姿勢を批判しているが、司馬遷も格の高い人間から
順番に列挙している列伝のうちの、自らを除く最後尾に貨殖列伝を置き、
それよりも先に記録のあるヤクザや占い師よりも格下の存在として程度に
取り挙げておいてくれたのは、我ら後世にとっての大いなる教訓ともなる所だといえよう。

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