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ズンドンバン 偉大なる生存の報告 part326
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「金ｶﾈ好きだけど宝物嫌い」 俺はもう二度と、この手の人種相手にだけは心を開かないと誓っている。
今の時代、あまりにも多すぎる人種なので一切、付き合いを絶つとまではいかないが、
（残念ながら親戚にもそれらしき人間はいるし）
たとえ腹を割って話し合ってみたところで、石の下の蟲でも見せ付けられたような
気分にしかならないし、反面教師以外の用途で得られるような教訓など何もないと
重々知れたので、最善を尽くす意味でこれからはそうすると誓っているのである。
金ｶﾈも宝物も好まない、本格の仏僧か宮本武蔵のような人間か、
金ｶﾈ好きとしての身の程をわきまえて、宝物好きでもあるような人間か、
金ｶﾈ自体はむしろ嫌いだが、価値のある宝物ぐらいは好む俺のような人間か、
心を開いて付き合うに値する人間がいたとしても、この内のいずれかに限るだろう。
「金ｶﾈ好きだけど宝物嫌い」 この手の人種にだけは心を開かず、大事な決定の場にも付き合わせない。
世の中の誰しもがそれを心がけることができれば、ただそれだけでも、
資本主義災禍による世の中の破綻を防止することができるだろう。
宝物としての価値が高い名刀を差すこと（自らがそれに値する偉丈夫たること）
こそは武士の誉れとされ、その武士こそは世の中を根本の部分から取り仕切り、
豪商級の大金持ちといえどもそこにマウントを取るような真似は決して許されなかった、
江戸時代の日本などもその条件を満たすことで泰平社会を持続させていたのだし、
上のように言い切るに値するだけの歴史的ソースもまた十分にあるといえる。
江戸時代にだって金ｶﾈ好きぐらいはいくらでもいたが、今と違って、
金ｶﾈが実物の物品以上に一人歩きして価値を帯びることに陶酔を見出すような、
本末転倒の精神状態に陥ってしまっているような人間だけはほとんどいなかった。
その手の人種こそが、資本主義社会における国家破綻級の妄動の
中核をも成しているわけだし、その存在性さえ許さなければ、世の中が
金満を原因として破滅に陥るようなことぐらいは避けられるのに違いないのである。
おいしい葡萄はおいしい葡萄で、いくらでも存在する。 自らが名刀を佩くに値する大夫となった上で、
今日の差料は備前の古刀にしようか、相州刀にしようか、
寛文新刀の名作にしようかなどと選り好みする楽しみ。
あるいは、自らが筆を握り小槌を振えば、文化財級の宝物をいくらでも
創り出せる武蔵並みの境地に達した上での、あらゆる物欲や金銭欲からの解脱。
夢見るだけでも楽しいほどの、憧れの的になるような境地もまた
実在すると認められたうえで、そこからかえって遠ざかってしまうような、
石の下の蟲化だけは特別に避けようとしているだけのことだ。
「君子は徳を懐い、小人は土を懐う」（里仁第四・一一） 司馬遷も「史記」の貨殖列伝で、紀元前の太古から
土地転がしで巨万の富を得ては、徳もへったくれもない匹夫小人に
羨望されている民間の投資家が多くいたことを記録している。
近年では、株式市場の導入によって、投資対象も多岐にわたるのが
当然となったが、ことに、太古の昔から「物品そのものよりも金ｶﾈ」の域の
本末転倒に陥っての投資熱を燃えがらせて来たものといえば、やはり土地である。
「漢書」の著者である班固は、そのような外道中の外道の有様をわざわざ
記録に遺した司馬遷の姿勢を批判しているが、司馬遷も格の高い人間から
順番に列挙している列伝のうちの、自らを除く最後尾に貨殖列伝を置き、
それよりも先に記録のあるヤクザや占い師よりも格下の存在として程度に
取り挙げておいてくれたのは、我ら後世にとっての大いなる教訓ともなる所だといえよう。
客観主義の歴史家だった司馬遷でも、 あらゆる人種の中でもヤクザや占い師や佞人以下な、
この世で最低劣の徒輩として扱うことで漸く記録に遺すことが許された
素封家、投資家なんていう部類の人種が、その本性を開き直って、
王侯をも上回る雲上人の扱いまで時に受けているような世の中なんかが、
当然そううまくいくわけもなく、昔からそうであり続けて来た
（というか大地主こそが国の王侯も歴任して来た）西洋もまた、
100年と平和な世の中を持続させられた試しがないのである。
実は、そういう人種を分相応な所まで弱体化させるのはそう難しいことではなく、
別に世の中が総員で出家者並みの清廉さを守らなければいけないわけでも、
ヒトラーのユダヤ教徒迫害並みに激烈な差別を講じなければならないわけでもない。
ただ「金ｶﾈ好きなのに宝物嫌い」なんていう人種だけは信用しないようにするだけでもいい。
それは結局、流通の道具としての金ｶﾈの本質までをも見失っている心神喪失者を、
分相応な扱いに留め置くだけのことなのだから、そう難しいことではない。
普通の心神喪失者が一人前の扱いを受けたりすることは今でもないんだから、
（だからこそ貴地外無罪系の法整備もまた行き届いている）
ただそれと同様な扱いにしていってやればいいだけなのである。
>>182 宝物とは、「物品としての"存在価値"が所蔵級に高い物」のことだよ。
どんなに高い値段が付けられたアート作品だろうとも、投機目的などの
"利用価値"によってそうなっただけのものは、その条件を満たさないよ。
国宝の大包平なんかは、長くて軽いという点で未だ再現不可能な域にあるから、
技術向上の指標としての存在価値の高さと、それ自体の利刀としての利用価値の高さを
両立できていたりもするが、宝物としての価値はやはり、その存在性のほうに認められる。
あんまりよく分からない話だろうけど、そういう難しい見定めが色々とあった上で、
宝物は宝物なりの着実な価値を帯びているものだと察してくれればいいよ。無理かもしれないが。
『おまえら』が立ち入れて来たのは利用価値までだよ。 だからこそ、存在価値のある宝物のなんたるかも、未だ分からない。
ケツ拭く紙としての利用価値だけなら、
この辺以上な究極形の体現者だろうしなあ。
『おまえら』が立ち入れて来たのは利用価値までだよ。 だからこそ、存在価値のある宝物のなんたるかも、未だに分からない。
ケツ拭く紙としての利用価値だけなら、
この辺以上な究極形の体現者だろうしなあ。
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