実際に台湾に行ってみた感覚でいえば、台湾政府の強権性は、
さすがに日本以上ではあるけれども、当然ながら中共よりもはるかに低い。
「タクシーでシートベルトしないと罰金」「このトイレに紙を棄てたら罰金」
とかの厳しい注意書きがそこら中にある程度には日本よりも強権的だけども、
下手すれば理不尽な理由で投獄されて殺されかねないような恐怖まではない。
以前の東部で起きた地震のせいで倒壊した建物が行政命令で、
住民の許可もなく取り壊されたりしていたのも日本以上ではあるけれども、
なるべく住民の家財取り出しの要望なども聞き入れていたようだし、
杓子定規ばかりに終始しないような融通さもある。
俺自身は、民主主義というイデオロギーの限界性をも指摘し続けている
現実主義者ではあるけれども、さりとて今の専制国家のような強権支配を
肯定するものでもない。江戸幕府なども公衆浴場の混浴を禁じてはいつの間にか
再開されてのいたちごっこを繰り返すようなユルさだったというからこそ、
封建制でいながら称賛しているわけで、やはり体制が強権的でないのは好ましい。
しかし、強い者に弱く弱い者に強い今の日本の権力者どもたるや、
その性分によってより強権的である側ばかりにおもねり続けている。
そのためには非常にシラフで柔弱な台湾の統治などもなるべく隠しておく。
心の底で本当は専制の残忍さを欲しているのが誰なのかも丸分かりなものである。
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