世の中が盲目な肯定一辺倒か否定一辺倒ばかりに振り切れて、
堅実な分別を欠いた狂態ばかりが進行して行くという点では、
民主主義社会もキリスト教支配下の社会などと五十歩百歩でしかない。
民主主義もまたキリスト教圏である欧州で生じたものであるために、
絶対神のような肯定対象は絶対肯定、悪魔と見なしたものは絶対否定と
するのが当たり前で来た欧米人の精神不安が落とし込まれる形で生じたもの。
何でも肯定したい思いに駆られている者は軒並み情緒障害の気ケを帯びているし、
その反動で何でも否定したい思いに駆られた者もまた精神病質の気ケを帯びている。
あまりにも重篤すぎて日常生活もままならない、とまでは行かないような所で、
完全な健常者のフリをしながら、その論理性からの毒気を世に蔓延させて行く。
何もかもを肯定してられるほど人の世も出来たものではないから、
表向き巧言令色でそれを強いられた反動も必ずやどこかで噴出を来し、
近年では匿名ネット上での陰口だとか、各種のクレームだとかでそれが現出している。
一応、目に見えて如実化しているだけまだマシということもあって、
あくまでそれらを抑え込んだ挙句の大戦争なんかが幾度となく勃発して来たのが
人類史の実情でもあるし、どんなにそれらが忌まわしいものなのだろうとも、
世に遍在することを見越した為政などが講じられるのでなければならない。
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