
人生の大半を、何も考えずに与えられた単純作業をこなすだけの仕事時間や、
テレビのスポーツ番組で球を目で追ってるだけの時間に費やしているような人間が、
自分の頭でよく考え続けている人間の思索のすべてを理解できるようなことはない。
それと同じように、自意識過剰のせいで頭が真っ白になってるようなことが
茶飯事なデカダンス状態の人間などもまた、正気や無念無想の境地と共に、
滞りなき思考や言動を積み立て続けている人間の思索を十分に理解できることもない。
コンピューターの情報処理能力などは、ここ数十年で劇的に進化したが、
人間の脳の処理能力は、計算速度などではもはや廉価版のPCにも大きく劣るような
範囲で、何万年も大きな変化がないまま。これからも劇的な進化などは見込まれない上に、
個々人の寿命もまた100年を大きく超えることなどはまず無理だと見込まれている。
今の時代、性別か年齢か身長あたりが、最も取り返しがつかない人間同士の格差の
最たるものと認識されていることが多いが、人が生きてるうちに知悉、理解できる
ような情報の質や量もまた、個々の事情によって致命的な格差が開けているもの。
事実そうである以上は、分からないものは分からないなりのものとしてわきまえて、
分かる人間に頼ることこそがより賢明たることがいくらでもある。その相手がどうあっても
謙りたくないような相手だから受け入れられないとかは、愚かの極みでありながら。
返信する