ネットやSNSの普及と共に、世界中の平均知能がより下がってしまったとは、
すでにノルウェーの研究機関などが通告している現象であるけれども。
知能に限らず、近年の人類の心技体全方面における頽廃化には目に余るものがある。
ネットの普及がさような悪影響を人類に及ぼした内情はといえば、
人々が生きて行く上での求道性が何もかも削がれてしまうほどにも、
何もかもが簡便に済ませられるようになったのがそれであろうと思われる。
元来、人間という生き物はただ生活して、働いて生計を立てて行くためにだけでも、
相応な求道性が必要とされていたために、そこを十分にこなしているだけでも、
人としての十分な成長を遂げた「大人」らしくなり得たのである。
しかし、今はもうそんな所にはなんらの求道性もなく、ただ生きて行くだけなら
子供も同然の未熟さのままでも何もかもが済ませられるようになった。
ネットという文明の利器をあえて破棄して昔に戻るわけでもないままに、
これからの人類が見るに大人らしくて、諸々の能力性にも満ちた状態で
あり続けるためには、ただ生きるのではなく、そこにあえて何らかの
求道性を持ち込んで行こうとする心がけを必ず伴わせるのでなければならない。
本格の仏道修行なり武芸なりの古来の取り組みに頼るのでも、その他の新規の手段に
頼るのでも、何らかの取り組みがなければならない。そしてまずはなんといっても、
「求道」という行為全般への、過去の遺物扱いからの脱却が先決ともなる。
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